2011 Fiscal Year Annual Research Report
余剰次元理論における新しいモデルの構築とLHC・ILCに向けた解析
Project/Area Number |
20540272
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波場 直之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00293803)
|
Keywords | LHC実験での検証可能性 / 超対称性理論 / ニュートリノ質量 / 新しいヒッグス模型 / パリティの破れ / 余剰次元理論 / ダークマター / バリオン数生成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、素粒子の標準模型を超える新しい物理の探求を、主に、模型構築の見地から行い、LHC・ILC実験でどの様に観測されるかを解析することである。この目的に向かい研究計画をたて、研究を行った結果、今年度は主に以下の研究実績が得られた。 1.ニュートリノとYukawa相互作用をするHiggs doubletの真空期待値が小さいが故に、ニュートリノの微小質量が導出される新しいHiggs模型を構築して、現象論的解析を行なった。この場合、ニュートリノの湯川相互作用は大きくてもいいため、低エネルギーの熱的レプトジェネシスが可能になることを世界で初めて示し宇宙論的制限を解析した。更に、LHCとILCでの観測可能性の解析、真空期待値間の階層性の量子補正に対する安定性の解析も行なった。また、GUTへ組み込んで、TeVスケールがGUTスケールとニュートリノ質量の相乗平均になる模型を構築した。 2.標準模型では、パリティの破れの起源は全くの謎である。そこで、weakスケールより十分高いスケールでleft-right対称型ゲージ群が存在して、パリティが自発的に破れる可能性を、強結合超対称性ゲージ理論の非摂動効果を用い、複合Higgs模型を構築して示し,更に、現象論的解析を行なった。 3.「ダークマターとバリオンのエネルギー密度比」と「バリオン数生成」を同時に説明する世界初の機構の開発に成功した。更に、インフレーションをも統一する機構の開発に成功して、機構の解析を行った。
|
Research Products
(18 results)