2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁場をもつ連星中性子星の準平衡状態と数値相対論の初期データ
Project/Area Number |
20540275
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
瓜生 康史 University of the Ryukyus, 理学部, 准教授 (40457693)
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Keywords | 相対論的宇宙物理学 / 数値相対論 / 重力波 / 連星中性子星 / 中性子星磁場 / ブラックホールー中性子星連星 / 高速回転星 / 高密度物質の状態方程式 |
Research Abstract |
本研究では,連星高密度星や高速回転中性子星の準平衡状態を求めるための,最も一般的な数値計算コードの開発を行う。特に,これまであまり考慮されなかった磁場の効果を取り入れた準平衡解を求め,数値相対論シミュレーションの精密で現実的な初期条件を求めることや,準平衡解を元にした重力波彩モデルの講築を目的としている。2008年度の研究で,磁場を持つ連星高密度星計算のための新しい定式化をEric Gourgoulhon氏(仏CNRS研究員,パリ天文台)と共同で導くことに成功した。また,磁場を持つ回転中性子星計算のための定式化について,江里口良治氏(東大)と共同研究を開始した。これらの結果は2009年度中に出版する予定である。数値計算コードについても整備を進め,四重極公式を用いた重力波振幅の計算ルーチンと,アインシュタイン方程式の全成分を解くwaveless定式を用いた計算コードを完成させた。これを利用して原始中性子星のモデルである3軸不等に大変形した中性子星のモデルを計算することに成功した。今後,星のコアの重力崩壊後0.5〜50秒程度の間に放出される原始中性子星からの重力波モデルの計算や,この波形を利用した高温の高密度核物質の状態の研究等へと発展させる予定である。また, U. Wisconsin-Milwaukeeのグループ及び柴田大氏(京大基研)と連星中性子星の最終軌道から合体に至るシミュレーションを行い,重力波形の解析から高密度核物質の状態方程式への制限を導いた。これから,実際にシミュレーション結果と重力波観測のデータ解析から中性子星内部の状態方程式を探ることが可能であることを示した。(プレプリント:arXiv:0901.3258 'Measuring the neutron star equation of state with gravitational wave observations' J.S.Read,C.Markakis, M.Shibata, K.Uryu, J.D.E.Creighton, J.L.Friedman)
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Research Products
(2 results)