2008 Fiscal Year Annual Research Report
非アーベリアンプラズマにおける非平衡ダイナミックスの研究
Project/Area Number |
20540276
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
奈良 寧 Akita International University, 国際教養学部, 助教 (70453008)
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Keywords | 量子色力学 / プラズマ / 高エネルギー重イオン衝突 / クォークグルーオンプラズマ(QGP) |
Research Abstract |
SU(2)ゲージ理論におけるボルツマン-ブラソフ方程式にプラズマ粒子(今の場合グルーオン)間の弾性散乱の効果を取り入れた粒子-セル(partide-in-cell, PIC)シミュレーションを行った。この枠組みは、ソフトな相互作用はプラズマ粒子とYang-Mills古典場との相互作用で記述され、ハードな相互作用はプラズマ粒子間の散乱で記述される。 非可換ゲージ場において、プラズマ粒子とゲージ場の相互作用とプラズマ粒子間の相互作用を同時に取り入れた3次元シュミレーションは世界初であり、現在ブルックヘブン国立研究所のRelativistic Heavy Ion Collider (RIHC)行われている実験結果を議論するために必要である。 モデル構築にあたって、ソフトとハードの分離スケールを導入しなければならないが、分離スケールは数値計算の結果が格子サイズに依存しないことを確かめた。したがって、ソフトとハードの両方の効果を矛盾なく取り入れた輸送係数を計算できるようになった。 我々は、弱く結合した非等方的なプラズマにおけるプラズマ不安定性の効果により、カラー磁揚とカラー電場の強さが方向依存性を持つことを明らかにし、この効果がどのように、ジェットがプラズマ中を走っていくのかを議論した。特に、プラズマ不安定性の効果で、ジェットの運動量は横方向にくらべて、縦方向(ビーム方向)に2倍以上広がるという結果を得た。
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Research Products
(8 results)