2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ/重力対応の直接検証及びそれに基づく時空構造の研究
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20540286
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
西村 淳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90273218)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 超弦理論 / 行列模型 / ゲージ理論 / 超対称性 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の超弦理論の数値的研究における大きな成果を踏まえ、時間を実時間として扱う行列模型の研究をさらに発展させた。この模型は、もともと石橋、川合、北澤、土屋により提唱されたものであり、超弦理論の非摂動的定式化を与えるものと考えられている。前年度は、この模型の数値シミュレーションを行うことに成功し、宇宙誕生の様子と解釈される興味深い結果を得た。本年度は、同じ模型において十分時間が経過した後の振る舞いを調べるため、古典運動方程式を解析し、宇宙膨張のしかたの時間変化などを研究した。これにより、現在の宇宙が加速膨張しているという観測事実を理論的にどう理解するか、という問題(宇宙項問題)に対して、新しい考え方を与えることができた。また、行列模型においては、時間と空間の間に、ある種の不確定性関係(量子力学における座標と運動量の不確定性に類似したもの)が存在するが、十分時間が経過した後に、その不確定性が消失する可能性について、論じることができた。 これらの研究と平行して、超弦理論と密接な関係にあるM理論に関する研究も行った。M理論においては、M2ブレーンと呼ばれる状態が存在することが知られている。このM2ブレーンを力学的に記述する場の理論として、最近ABJM理論が提唱され、盛んに研究されている。我々は、ABJM理論の性質を数値的に研究する方法を確立し、これまで研究が困難だったパラメタ領域においても、具体的な計算を実行することに成功した。これにより、重力理論から予想されていたM2ブレーンの性質を、ABJM理論から再現できることを数値的に証明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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