2008 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ビームライン用真空膜およびその冷却機構の研究・開発(2)
Project/Area Number |
20540303
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
山田 善一 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00200759)
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Keywords | 素粒子実験 / 加速器 / 放射線、X線、粒子線 / 熱工学 / 流体工学 |
Research Abstract |
大強度ビームの通過に耐えうる強度、冷却性能、遠隔メンテナンス性等を備えたビーム膜の開発・実用化は、J-PARCのような大強度陽子ビームを用いた実験を実現するには必要不可欠なものであり、非常に重要な意義を持つ。大強度ビームライン用ビーム膜の一例として、J-PARCニュートリノビームラインの一次陽子ビームラインの真空系と標的用ヘリウムガス容器を分離する真空膜に関して、英国RAL研究所の技術職員のChristopher Densham氏、Matthew Rooney氏らと共同で、遠隔着脱できるフランジであるピローシールフランジと、チタン合金製二重膜とのを組み合わせたビーム膜を実際に製作した。また、カナダTRIUMF研究所のClive Mark氏、Mike Gallop氏、Chad Fischer氏らと共同で、そのビーム膜や周辺遮蔽体の遠隔着脱、遠隔移動の機構の設計・製作を行った。高エネルギー加速器研究機構の多田将氏も加わって、実際にその遠隔着脱・移動機構及びテレビカメラ等を用いて、J-PARCニュートリノビームラインへのビーム膜の遠隔設置を行い、総合的に問題がないことを確認した。また、TRIUMF研究所の提供によるマニピュレータ(遠隔ハンドリング装置)と鉛ガラス窓を用いて、ビーム膜の遠隔メンテナンスの方法の研究を行った。また、高エネルギー加速器研究機構の提供によるヘリウムガス循環装置を用いて、実際に二重膜の間にヘリウムガスを流す試験を行い、冷却に必要な流量が確保できることを実証した。
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