2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540306
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森本 幸司 The Institute of Physical and Chemical Research, 超重元素分析装置チーム, チームリーダー (00332247)
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Keywords | 超重元素 / 短寿命核 / 計測装置 |
Research Abstract |
本研究は、現在理研の超重元素探索実験にて稼働している信号処理装置を拡張し、これまで不可能であった10μ秒以下の崩壊現象の測定を可能とさせる事が目的である。 本年度は当研究計画に従い、前年度開発を行い拡張した計測システムを用いて^<197>Au(^<40>Ar,3n)^<234>Bk反応を利用した新同位体探索実験を行った。実験は理化学研究所仁科センターのリニアック加速器とガス充填型反跳核分離装置を用い、^<40>Arビームを^<197>Auターゲットに照射する事により行った。その結果、新同位体^<234>Bkからと考えられる119イベントの崩壊連鎖を観測した。この崩壊連鎖には新同位体^<230>Amも含まれており、^<234>Bkと^<230>Amの合計2つの新同位体発見に成功した。観測した崩壊連鎖中には半減期15.6μ秒の^<218>Ra、同0.27μ秒の^<214>Rnが含まれており、本研究で開発を行ったプリアンプ波形データ収集システムにて、当初のねらい通りにデータが取得出来ている事を確認した。現在データを詳細に解析中であり、結果がまとまり次第、論文を作成し投稿する予定である。今後はさらに、調整・改良を加え、^<208>Pb(^<76>Ge,n)^<283>114反応を用いた新元素の探索実験に備える予定である。本装置は新元素の探索のみならず寿命の短い(0.1-5μ秒)新同位体探索にも有効であるので、観測の可能性がある新同位体があれば実験を計画したいと考えている。
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