2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子線エピタキシー成長中の反射電子回折強度振動の起源解明と成長様式の理論的研究
Project/Area Number |
20540313
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川村 隆明 University of Yamanashi, 教育人間科学部, 教授 (20111776)
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Keywords | 分子線エピタキシー / 結晶成長様式 / 反射電子回折 / 半導体薄膜成長 / 反射電子回折波動関数 |
Research Abstract |
分子線エピタキシー成長中の反射電子回折(RHEED)強度振動の起源として、従来、表面のステップ密度、ブラッグ条件から外れた場合の電子波の干渉、原子の表面密度、2種の表面再構成構造の比などが提案されてきた。本研究では、成長中の表面形態をモデル化した表面からのRHEED波動関数を求め、入射電子方位に沿った原子列の密度によってRHEED強度振動が起きる条件を明らかにした。Si(001)表面上に成長する場合を例にとって計算した結果、ブラッグ条件下で、電子波が干渉することでRHEED強度振動が起きることを見出した。この条件下では、1原子層の高さの差による電子波の位相差は2π/3で、このため2原子層を周期とするRHEED強度振動が起きることが明らかになった。 この結果は、これまで直接示されることがなかったRHEED強度振動の起源を、RHEED波動関数の計算から明らかにすることができることを、具体的に示したもので、今後、電子の入射条件、基盤結晶などを変えて、いくつかの主要な系におけるRHEED強度振動の起源解明の基礎となる。とくに高さの異なる表面層からの干渉が、起源となっていることを明らかにできたことは、重要な結果である。 この研究の基礎となるRHEED波動関数の計算法については、表面の代表的なレビュー誌であるSurface Science Reportsに論文が掲載された。また、上記のRHEED強度振動の起源に関する結果については、現在論文投稿を準備している。
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Research Products
(3 results)