2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540320
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石田 浩 Nihon University, 文理学部, 教授 (60184537)
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Keywords | 密度汎関数法 / Green関数法 / 動的平均場近似 / 半無限計算 / 第一原理計算 / 金属絶縁体界面 |
Research Abstract |
研究経過:平成20年8月にユーリッヒ研究センターに出張し、エムベディッドGreen関数法に関する共同研究を行った。同年10月に6-CPUの並列型パーソナルコンピュータを購入し、計算プログラムの開発と興味ある系の計算を行った。今年度予算は上記の旅費及びコンピュータ購入に使用した。 研究成果1:InglesfieldのエムベッディッドGreen関数法では、半無限結晶下地の効果を、界面領域との境界面上で作用するエムベッディングポテンシャル(以下Σと表記)で表現する。この境界面は、原子のマフィンティン球を避けるため複雑な曲面になる。曲面上のΣを扱うのは困難なので、従来の計算では、バッファー領域を導入することにより、曲面と等価な平面上のΣを用いていた。最近、ユーリッヒのグループにより、曲面上のΣを直接計算する方法が提案された。ユーリッヒへの出張中に、同グループと議論を行い、研究代表者の計算プログラムにこの新手法を取り入れた。これによりΣの精度が上がると同時に、Green関数の基底関数を減らすことができた。 研究成果2:半無限系の電子構造計算のためのもう一つの手法は、強結合ハミルトニアンに基づくエムベッディッドGreen関数法である。ユーリッヒでの共同研究中に、半無限結晶の一体効果及び多体効果を強結合エムベッディングポテンシャルで表現することにより、半無限界面の電子構造を、動的平均場近似の範囲で電子相関の効果も含めて計算する新手法を考案した。この方法はワニエ関数を用いれば、第一原理計算に応用可能である。今年度はハバード模型を用いて、金属/Mott絶縁体界面、金属間にMott絶縁体を挟んだサンドイッチ構造の電子構造を計算して、金属状態が絶縁体に侵入する振舞いを調べた。
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