2009 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブのTHz光領域の光学応答とTHz光発生・検出に関する研究
Project/Area Number |
20540321
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
市田 正夫 Konan University, 理工学部, 准教授 (30260590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 珠緒 甲南大学, 理工学部, 准教授 (80283034)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 非線形光学応答 / テラヘルツ光 |
Research Abstract |
今年度は、1)高純度分離試料の緩和時間の測定、および、2)高純度分離試料のTHz領域の光学スペクトル測定、を行った。 1.高純度分離単層カーボンナノチューヴ薄膜試料において、ポンプ・プローブ分光法および縮退四光波混合法により、単層カーボンナノチューブの分布緩和時間(T_1)、位相緩和時間(T_2)の測定を行った。特に、孤立チューブとバンドル試料の緩和時間を比較し、バンドル試料ではチューブ間の緩和が緩和ダイナミクスに重要な寄与をしていることを明らかにした。また、半導体高純度試料中でのチューブ間緩和と周りを金属チューブで取り囲まれた半導体チューブの緩和を比較することにより、半導体-半導体チューブ間、および半導体-金属チューブ間の緩和を測定した。その結果、半導体-金属間の緩和が、半導体間に比べて大きいことがわかった。 2.95%以上の高純度で分離された半導体および金属ナノチューブの薄膜の吸収スペクトルを1meVから6eVまでの広い範囲で測定した。金属チューブにはTHz領域に大きな吸収帯があらわれた。この振る舞いは、単純なDrudeモデルや、微小金属が誘電対中に存在するときに現れる局在表面プラズモン共鳴では説明できず、理論的に予測されていた非アームチェアー型金属チューブ固有の小さなバンドギャップや、金属チューブがバンドルを作ることによって現れる偽ギャップによる効果であると考えられる。
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