2008 Fiscal Year Annual Research Report
イットリウム鉄ガーネットにおける異常な電気磁気効果出現機構のNMRによる研究
Project/Area Number |
20540332
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
浅井 吉蔵 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (00109795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 浩二 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20183139)
中村 仁 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (50313416)
小林 義彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (60293122)
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Keywords | 電気磁気効果 / マルチフェッロイック / YIG / NMR / 鉄ガーネット / 誘電損失 / 酸素欠陥 / TSFZ |
Research Abstract |
イットリウム鉄ガーネット(YIG)は、空間反転対称性のある結晶構造であるにも拘らず、1次の電気磁気効果(ME効果)のあることが報告されている。その原因は酸素欠陥等の格子不純物に起因するという提案がなされているが、不純物が1次のME効果を出現させる機構については全く分かっていない。本研究では、YIG単結晶の電気磁気効果と^57Fe核磁気共鳴(NMR)の測定を行ない、YIGの電気磁気効果の詳細と発現機構を明らかにすることを目的としている。20年度の研究では、YIGのME効果に酸素欠損が寄与をしていることの実証を目指し、(1)YIG単結晶の作製と評価、(2)誘電特性測定、(3)^57Fe NMR装置の整備を行った。 (1)では、赤外線集中加熱炉を用いたTravelling Solvent Floating Zone法によりYIG単結晶試料を作製した。その後,石英管に還元剤と共に封入する方法や、雰囲気調整によるポストアニールにより試料の酸素欠損量の制御を試みた。その結果,還元しすぎると容易に分解することが判明した。(2)では、誘電率と誘電損失の温度変化をLCRメータにより測定した。誘電損失の温度変化には、微小ではあるが周波数依存のある複数のピークが見られた。それらには試料依存性があり、誘電損失が酸素欠陥に関与していると考えられるが定量的議論には至らなかった。(3)では、電磁石とクライオスタットを整備する他,電子回路系のデザインを行い、次年度の測定準備を行った。
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