2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルス磁場下交流比熱測定装置開発とスピン系高速緩和・過渡現象の直接観測
Project/Area Number |
20540335
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲垣 祐次 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (10335458)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河江 達也 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30253503)
|
Keywords | 交流比熱 / 強磁場 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究は、高速磁場掃引下において比熱測定を行うことにより、特にスピン系における緩和現象を観測することを目的とする世界初の試みである。通常よく行われる断熱法や緩和法などと異なり、交流法を用いることで磁場の関数として連続的に比熱を測定することが可能となる。 実現へ向けての最重要課題は高周波化である。数百ミリ秒程度の幅を持つパルス磁場を発生させ、その間に何波長分測定できるかがポイントとなる。最低でも1キロヘルツ(パルス幅100ミリ秒なら100波長分観測可能となり、例えば最大10Tのパルス磁場なら単純計算で1000ガウスの磁場分解能に相当する)が要求されるが、我々は既に数キロヘルツでの観測に成功している。これらの成果の一部は既に昨年夏の磁性国際会議(ICM2009ドイツ)において公表した。 現段階において達成されている測定技術は、これまで不可能だと思われていた前人未到の強磁場領域へと容易に拡張可能である。実際に東京大学物性研究所の国際超強磁場施設において、パルス強磁場中比熱測定の共同研究を行っており、成果が得られつつある。更なる高周波化、高感度化によって今後の発展が期待される。
|
Research Products
(1 results)