2008 Fiscal Year Annual Research Report
片側13C置換によるTMTSF塩の異常な超伝導状態におけるNMR
Project/Area Number |
20540338
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 充司 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (60251691)
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Keywords | TMTSF / 超伝導 / 同位体置換 / 133C-NMR |
Research Abstract |
パウリ限界を超えパウリ限界を超える超伝導臨界磁場をもち三重項超伝導が指摘される(TMTSF)_2X(X=PF_6,ClO_4)塩を^<13>C-NMRを用いて検証する。^<77>Se-NMRでは微細な、スペクトルのシフトや経常変化を検出することができなかったが^<13>C-NMRなら可能となる。その目的で分子の特定の位置のみを選択的に^<13>Cに置換した分子を合成し、^<13>C-NMR-を行う。^<13>Cは、^<77>Seに比べて線幅が細くNMR Shiftの詳細な実験が可能である。しかし、現在まで行われていない理由は、TMTSF塩の超伝導塩を作ったBechgaadをしてTMTSF分子の選択的同位体置換は"難しい"といわれ現状では10%程度のエンリッチ試料の例しか報告されていない。 そこで検討しているルートは、Yamadaらにより開発されたSn錯体を経由する方法で、すでに中間体(a), (b)はYamadaらの論文中で合成されている。我々は、最終段の反応条件を検討すればよいこととなる。また同位体試料の投入は、最終ステップの1つ前なので50%の収率で合成できたとして同位体に対する最終収率が25%となる。またこの合成ルートは選択的に片側のみをエンリッチすることができる。 本年度は、新しいTMSTF分子の合成ルートを検証した。既知の部分のルートでも収率が再現できないことがあり、それを解決するために時間がかかったが、当初考案したルートでTMTSFが合成できることを実証した。
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