2009 Fiscal Year Annual Research Report
多極子秩序を発現させる高い対称性を有する結晶構造を持つf電子系化合物の物質探索
Project/Area Number |
20540339
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 ちひろ Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (60261385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松平 和之 九州工業大学, 工学部, 助教 (40312342)
深澤 英人 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90361443)
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Keywords | スクッテルダイト化合物 / 多極子転移 / 高圧合成 / NMR / NQR / 希土類化合物 |
Research Abstract |
希土類元素を含む4f電子系では、比熱などの熱力学的物理量に明確な特異点が現れるものの、従来の方法では主要な秩序変数を決めることができない相転移がしばしば発見されている。このような異常相転移の謎を解明する鍵は4f電子が持つ磁性以外の自由度、多極子モーメントであると考えられている。本研究では、多極子モーメントが大きな役割を果たしている異常相転移(多極子転移)を示す典型物質の探索を行い、巨視的、微視的な物性測定を行うことで、f電子系秩序の普遍的な性質を明らかにすることを目的としている。 充填スクッテルダイト化合物GdRu_4P_<12>,TbRu_4P_<12>はそれぞれ22K、20Kにおいて反強磁性的な相転移を示す物質であるが、複雑な温度-磁場相図を示すことなどから、これらの相転移は多極子が関与する異常相転移である可能性が指摘されている。これまでに、GdRu_4P_<12>、TbRu_4P_<12>に関する^<101>Ru-NQRや超音波実験を行い、通常の反強磁性転移とは異なる振舞を示すことが分かった。そこで、これらの振舞を理解するため、単結晶試料を用いた詳細な実験を行った。さらに、多極子秩序が期待される4f電子系化合物の新物質合成を試み、高圧合成法により、新充填スクッテルダイト化合物EuFe_4As_<12>、GdFe_4As_<12>、TbFe_4As_<12>の合成に成功した。これらの化合物の電気抵抗、磁化測定などの基礎物性を調べ、それぞれ、152K、56K、38Kで強磁性的な相転移を示すことが分かった。今後、これらの転移の性質を明らかにするため、詳細な実験研究が必要である。
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Research Products
(4 results)