2008 Fiscal Year Annual Research Report
強相関超伝導体のサブナノスケールからバルクに至る隠れた秩序の発現機構
Project/Area Number |
20540341
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土浦 宏紀 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (30374961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 昭正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30361124)
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Keywords | 銅酸化物超伝導体 / 不均一超伝導 / ナノストライプ / 準粒子干渉効果 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は, 磁束芯やナノストライプ状態という局所的構造に現れる非自明な秩序状態の痕跡を段階的に明らかにしていくことにより, 銅酸化物超伝導における最大の謎である擬ギャップ状態(バルク)の素性に迫ることである. 今年度の研究実績は以下の通りである. 1. 第一原理計算法を用いたモデルパラメーターの評価. 銅酸化物超伝導体の銅・酸素面外における化学的乱れの影響を取り入れた有効モデルの設定を行った. このモデルにおいては, 乱れの効果は次隣接サイト間のキャリア遷移パラメーターに繰り込まれる. 2. 微視的モデルによる空間変調型fwd波超伝導状態の探索 微視的モデルを用いて, 反強磁性を伴わない空間変調型d波超伝導状態が存在することを見出した. この状態は乱れの存在しない系においても準安定であり, 上記1. で得た有効モデルにおいては, 真の安定解となり得ることが分かった. 3. 準粒子干渉効果と空間変調型d波超伝導状態 上記2. で見出した空間変調型の状態は, 電荷密度波のようなクーロン斥力由来のものではなく, d波超伝導体における準粒子干渉効果の結果であることが分かった.
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Research Products
(4 results)