2010 Fiscal Year Annual Research Report
強相関超伝導体のサブナノスケールからバルクに至る隠れた秩序の発現機構
Project/Area Number |
20540341
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土浦 宏紀 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30374961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 昭正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30361124)
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Keywords | カイラルp波超伝導 / 分数量子化磁束芯 / 冷却原子気体 / 光格子 / 超流動・モット絶縁体転移 / スピン・ネマティック状態 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,磁束芯やナノストライプ状態という局所的構造に現れる非自明な秩序状態の痕跡を段階的に明らかにしていくことにより,強相関超伝導(超流動)体における隠れた秩序の発現機構を解明することである.今年度の研究実績を以下に示す. 1.カイラルp波超伝導体における分数量子化磁束芯の安定性解析 Sr2RuO4で実現されている超伝導状態は,スピン3重項状態,しかも時間反転対称性の破れたカイラルp波型と呼ばれるものであると期待されている.カイラルp波状態で存在が予言されているhalf-quantum vortex(HQV)という分数量子化磁束芯がSr2RuO4で観測されれば,その超伝導状態が完全に同定されたことになる.本研究では,Sr2RuO4のバンド構造を反映した微視的モデルを用いて,HQVがSr2RuO4において安定に存在する条件を提示した. 2.スピン1のボース粒子気体における超流動・モット絶縁体転移とスピン相関 光格子上にトラップされた,スピン1の冷却ボース粒子気体のモデルとしてS=1ボース・ババードモデルを選び,そのモット転移およびスピン相関について,多パラメーター変分モンテカルロ法を用いて調べた.その結果,平均粒子密度が1のモット絶縁相においては,スピン・ネマティック秩序が発達していることが明らかになった.
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Research Products
(4 results)