2009 Fiscal Year Annual Research Report
圧力下ミュオンスピン回転緩和法による強相関有機物質の磁性研究
Project/Area Number |
20540345
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 一彦 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (60225927)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 弘三 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50323374)
髭本 亘 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (90291103)
|
Keywords | 有機物質 / ミュオンスピン回転・緩和法 / 強相関電子系 / 高圧 |
Research Abstract |
平成21年度は、反強磁性絶縁体であるβ'-(BEDT-TTF)_2IBrClを中心に研究を行った。前年に引き続き試料の大量合成を行い合計1.5グラムの試料を得ることに成功した。これは圧力下も含めてミュオン実験を行うのに十分な量である。常圧下におけるミュオンスピン回転・緩和法実験は国内で運転が開始された大強度陽子加速器施設(J-PARC)にて行い、反強磁性転移に伴うミュオンスピン回転信号の検出に成功した。その結果の詳細な解析を行い、β'-(BEDT-TTF)_2IBrClの実験結果は同じ結晶構造を有するβ'-(BEDT-TTF)_2ICl_2の結果と類似していることを明らかにした。また、β'-(BEDT-TTF)_2IBrClについてはカナダ・トライアムフ研究所にて圧力下ミュオンスピン回転緩和実験を行おうと試みたが、研究所の加速器の不調により実験を行うことが出来なかった。最終年度に再実験を行う予定である。
|