2008 Fiscal Year Annual Research Report
10GPa級高圧下磁化測定を中心にした強相関化合物の圧力誘起物性の研究と探索
Project/Area Number |
20540355
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
三好 清貴 Shimane University, 総合理工学部, 准教授 (10294365)
|
Keywords | 強相関電子系 / 遷移金属酸化物 / 超伝導 / 高圧力 / 鉄系超伝導 / ラットリング |
Research Abstract |
パイロクロア型酸化物AOs_2O_6(A=K,Rb,Cs)と新規鉄系超伝導体FeSe_<1-X>(x=0,0.2)に対して高圧力下磁化測定を行い、超伝導転移温度T_cと圧力Pの関係を精密に調べた。AOs_2O_6(A=Rb,Cs)については、T_cは加圧により8.8Kまで上昇し飽和する一方、A=Kの系では加圧によりT_c、は10K程度まで上昇することが分かった。特にK系では、Kイオンのラットリングの超伝導への影響が議論されており、ラットリングによる超伝導の増強がこの結果より示唆される。また、K系ではラットリングが消失する転移温度T_pが存在するが、K系においてT_c-Pの関係を精密に調べるとP=2GPa付近でT_c-P曲線に折れ曲がりが見られ、それが圧力中のT_pに対応すると推察される。一方、FeSe_<1-X>においては加圧によりx=0および0.2の系ともにT_cは上昇しP=1GPa付近で極大が見られたが、さらなる加圧によりT_cは再度急上昇しP=3GPa以上でx=0の系ではT_c=25K、x=0.2の系ではT_c=21Kまで上昇し飽和することがわかった。これらの系ではT_cが2段階で上昇しており、圧力中で別の超伝導相が誘起される可能性が示唆されている。また、x=0.2の系では100K付近で磁気転移が見られるが、x=0の系では観測されなかった。T_c-P曲線はκの変化に対して定性的にはあまり変わらず、磁気転移の有無に依存していないように見える。
|
Research Products
(4 results)