2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540359
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青木 勇二 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 准教授 (20231772)
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Keywords | 強相関電子系 / 多極子 / スクッテルダイト / 核比熱 |
Research Abstract |
希土類化合物における低温秩序状態の秩序変数を、f電子多極子に起因するか否かを核比熱測定により手軽にかつ高精度で判定する実験方法を確立し、様々な希土類化合物に適用しながら、新たな多極子秩序相(またはその候補)を探索することが本研究の目的である。ここでは、秩序化した磁気双極子があれば、それが核比熱に顕著に現れるためその大きさを精密測定することができることを利用している。立方晶系に焦点をしぼり、RT_4X_12充填スクッテルダイトて(立方対称カゴ構造の中心に希土類イオンが位置する高い対称性のため多極子自由度が低温まで残り、高次の多極子秩序が低温で発現しやすい)およびRT_2X化合物を中心に幾つかの物質をピックアップして測定を行う。特にSmRu_4P_l2では八極子秩序の可能性が議論されていることを考慮すると、RRu_4P_12系は本研究を行う上で適した系の一つと考えられる。今年度は下記の二つの化合物を中心に、測定系の整備を行いつつ、極低温比熱測定を進めた。 1.PrRu_4P_12:十六極子秩序の可能性が指摘されている低温秩序状態で、非磁性的な原因により、Pr三重項基底状態が約1K程度エネルギー分裂し、磁気双極子の自由度が凍結していることをこれまでに見出していたが、さらに測定を進め、三重項が持つ四極子が起源となり分裂した可能性を探った。 2.GdRu_4P_12:秩序相の低温領域において、4f電子に起因する重い電子状態が発現している可能性が比熱測定から出てきた。さらに純良単結晶試料を用いた測定を進めた。
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Research Products
(17 results)