2009 Fiscal Year Annual Research Report
高圧力下で磁性・非磁性転移と超伝導を示すCeRhSi_3の圧力下電子状態研究
Project/Area Number |
20540362
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
寺嶋 太一 National Institute for Materials Science, ナノスケール物質萌芽ラボ, 主幹研究員 (40343834)
|
Keywords | 強相関電子系 / 磁性 / 量子相転移 / フェルミ面 |
Research Abstract |
CeRhSi_3は反転対称性のない結晶構造を持ち、常圧では反強磁性体であるが、圧力により反強磁性を抑制していくと、超伝導を示す。 それ故、この化合物は次の二つの点で極めて興味深い。 1)超伝導が反強磁性から常磁性への量子相転移に関連していると考えられる点。 2)反転対称性のない結晶に発現する超伝導である点。 これまでに、常圧におけるCeRhSi_3とCeをf電子を持たないLaで置換した対照物質LaRhSi_3の角度分解ドハースファンアルフェン(dHvA)効果測定、高圧下でのCeRhSi_3のc軸方向のdHvA測定を行い、CeRhSi_3のCe4f電子が常圧の反強磁性状態から遍歴でフェルミ面に寄与していると主張してきたが、今年度はさらに高圧下でa軸方向の測定を行い、Ce4f遍歴と矛盾のない結果を得た。 また、2008年に発見された鉄系超伝導体について、122系と呼ばれるAFe_2As_2(A=Ca,Sr,Ba,Eu)が重い電子系類似の圧力誘起超伝導を示すとの報告があったが、そのバルク性などがはっきりしていなかった。そこで、EuFe_2As_2について高圧下での交流磁化率、電気抵抗測定を行い、約26kbar付近でバルクの超伝導が出現すること、また、それがEuの反強磁性秩序と共存することを明らかにした。
|