2009 Fiscal Year Annual Research Report
可解格子模型の無限次元対称性と有限サイズ量子多体系における様々な物理的応用
Project/Area Number |
20540365
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
出口 哲生 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (70227544)
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Keywords | 可積分系 / 相関関数の多重積分表示 / 量子スピン系 / 量子XXZ鎖 / PT対称な量子系 / 冷却原子系 / 可積分高次スピン量子XXZ鎖 / 1次元デルタ関数型相互作用ボース気体 |
Research Abstract |
(1)可積分な高次スピン量子XXZ鎖の任意の相関関数の多重積分表示の導出 可解な高次スピンXXZ鎖の量子逆散乱法を定式化し、そのベーテ固有状態の間のスカラー積の公式を経由して、可積分な高次スピンXXZ鎖の形状因子の表式を解析的に導いた。基底状態からの励起エネルギースペクトルが連続的な領域において、高次スピンの任意の演算子積に対する相関関数の多重積分表示を厳密に求めた。スピン1の場合に一点関数に関して多重積分を実行して、その期待値を解析的表現を求めた。 (2)様々な物理的応用例I:PT対称性な物理系の厳密解 非エルミートな量子ハミルトニアンであっても、PT対称性であればその固有値は全て実数であることが知られている。横磁場イジング模型を拡張して、PT対称な厳密解の様々な実例を導いた。非エルミート系のノルムをきちんと求めたことがポイントである。また、この成果は数年前に学振の外国人PDとして受け入れたP.K.Ghosh氏との共同研究に基づく。 (3)様々な物理的応用例II:トーラスに閉じ込められた冷却原子系の厳密解 トーラス中に閉じ込められた回転する冷却原子系に相互作用がある場合、理論模型はデルタ関数型ボース気体で与えられる。与えられた角運動を持つ固有状態のうちで最低エネルギーのものをベーテ仮設法を用いて求める方法を与えた。さらに、回転系の励起スペクトルを、dressed energyを用いて厳密に解析した。共形場理論との対応を議論した。この結果は、相関関数の計算に応用される。
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Research Products
(20 results)