2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540367
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 正英 Kanazawa University, 総合メディア基盤センター, 教授 (20306533)
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Keywords | 結晶成長 / 拡散場 / 形態不安定性 / ステップ / バンチング |
Research Abstract |
これまで気相成長時を念頭に置いて表面拡散場に流れがある場合のステップの不安定化について調べてきた。本研究ではそれを発展させるとともに,さらに溶液からの成長などいわゆる体積拡散場中に流れがある場合のステップの示す不安定性について調べるものである。 今年度は表面拡散場の流れの問題として,シリコン(111)微斜面の相転移点近傍で2つの表面構造が存在するときに,表面拡散場に流れが加わることで生じるステップの不安定化について調べた。2つの構造での拡散係数の違いがあることにより,ステップの蛇行が生じることが明らかになった。 さらに,溶液からの成長を念頭に置いて,体積拡散場中に流れが加わった時のステップの挙動について調べた。特に,ステップが直線であると仮定して,モンテカルロ・シミュレーションを行い,バンチング時のテラス幅の揺らぎの時間変化を調べた。初期段階では揺らぎ幅が時間の3分の1乗で大きくなり,十分に時間がたつと一定値に収束することが分かった。また,収束した値は流れの速さの20分の3乗に近いベキで大きくなることも分かった。 現在は,さらに過飽和度が十分に大きい場合でのステップ列の挙動について調べており,流れが弱い時には見られなかった2分の1乗に近いベキが初期段階に見られ,そののちに3分の1乗に近いベキが見られることが分かった。現在はこの点についてさらに研究を進めている。
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