2010 Fiscal Year Annual Research Report
低次元量子系の有限温度相関関数と量子エンタングルメントの完全WKB解析
Project/Area Number |
20540370
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 静岡大学, 理学部, 教授 (40222062)
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Keywords | 厳密WKB法 / 量子スピン / 相関関数 / 量子もつれ / 関数等式 |
Research Abstract |
1. 有限温度相関数に関する研究 最も小つなスビン1/2に対しては既知であった有限温度での量子相関関数に対する多重積分表示を、スビン1の場合に拡張することに成功した。その結果、代数的な「フュージョン」が解析的な表式にどのように反映されているかを明確にした。形式的な表示を得るだけではなく、解析的な評価をおこない、ゼロ温度での結果がいかに再現されこの結果はすでに電子ジャーナルに発表された。 2. 高スピン鎖の保存量の解析 高いスピンをもつ量子磁性体の量子もつれを定量するにはそのベーテ根に関する詳細な情報が必要である。またこれをODE/IM対応の立場から解釈すると単純でない返り点をもつ微分方程式のスベクトルを知る問題として定式化できる。厳密WKB法に新しい補助関数を導入する事に依りこれが具体的に可能である事を明らかにし,Brisbaneでの国際会議において発表した。論文は現在準備中である。 3. 転送行列の満たす関数等式の研究 数理物理、統計力学また弦/ゲージ理論などに現れる普遍的な代数構造であるT,Y,Qシステムに関して、詳細なレビューをおこなった。これはJ. Phys Aの編集部からの要請に依り、J. Phys A Topical Reviewとして発表された。
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Research Products
(5 results)