2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540379
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 裕司 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (70261469)
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Keywords | 渦運動 / 線形安定性 / 曲率不安定性 / 直接数値シミュレーション / 非線形性 / 乱流 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までの結果を踏まえて、曲がりをもつ一般的な渦構造の理論を展開し、曲がり効果と曲率不安定性の普遍性を追究した。さらに、乱流中の曲がり効果を研究するための準備として一様等方性乱流の直接数値シミュレーションを行った。 (1)曲がりをもつ渦構造のダイナミクス:一般論 一般の渦管を対象として安定性と大局運動の理論解析を行った。線形安定性解析(ノーマルモード解析、局所安定性解析)、弱非線形解析、漸近解析を用いることにより、大局的な運動をする渦構造のダイナミクスについて調べた。また、一般の形をもつ渦構造の線形安定性解析を弱非線形解析に発展させ、非線形性が不安定成長を飽和させる効果をもつことを明らかにした。さらに、前年度に調べた軸流の効果について検討を進め、さらに詳細な解析が必要であることを見出した。 (2)乱流の直接数値シミュレーション 一様等方性乱流の直接数値シミュレーションを行った。非圧縮性および圧縮性Navier-Stokes方程式を周期境界条件下においてスペクトル法により高精度に数値的に解くプログラムを開発し、これを用いて直接数値シミュレーションを行った。データを蓄積し、次年度(最終年度)のデータ解析の準備ができた。 (3)渦構造の渦度分布とその形成過程 渦構造の渦度分布は不安定性を大きく左右する。乱流中の渦構造の形成過程と準定常状態における渦度分布を、理論解析と直接数値シミュレーションにより調べた。得られた渦度分布は、Reynolds数が小さい場合は代表的な渦度分布と考えられているGauss分布に近いが、Reynolds数が大きくなるとGauss分布からのずれが顕著になることを示した。
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Research Products
(9 results)