2010 Fiscal Year Annual Research Report
地殻・マントル不均質性の定量化と、広帯域強震動シミュレーションモデルの構築
Project/Area Number |
20540405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古村 孝志 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (80241404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 太志 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40222187)
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Keywords | 短波長不均質構造 / 地震 / シミュレーション / 並列計算 / 地震災害 |
Research Abstract |
本研究により構築した、数km以下の短波長不均質構造をモデル化した不均質地殻・マントルモデルを用いて、周期1秒以下の短周期地震動を含む広帯域(周期10秒~0.1秒以上)強震動シミュレーションを、海洋研究開発機構の地球シミュレータを用いて行った。 短周期地震動の伝播の特徴であり、S波の放射特性(Radiation Pattern)の崩壊の周波数依存性、距離依存性や、P波のTransverse成分に見られる振幅の漏れなどの現象を、Hi-net高密度地震観測データで記録された近地の地震波形解析との比較からシミュレーションモデルの正しさを検証した。同時に、広帯域シミュレーションの高精度化に不可欠となる地震動シミュレーションの境界条件(自由表面、吸収境界条件)の高度化の検討も進め、地球シミュレータを用いた大規模長時間計算により、計算の安定性と精度を検証した。 また、地震観測データ解析とシミュレーションの比較から、地殻・マントル構造の不均質性の地域性(東北日本の太平洋側と日本海側、及び西南日本)の違いを明らかにするとともに、震源距離150km以遠でP波の散乱特性が急変することから、地殻とマントルの不均質性の分布特性が大きく異なっている可能性を示し、これを各種の地下構造モデルを用いたシミュレーション結果の比較から確認した。こうして、広帯域地震動シミュレーションに必要な地下構造モデルと計算コードの目処を本研究により得た。
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Research Products
(1 results)