2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540406
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯高 隆 東京大学, 地震研究所, 准教授 (00221747)
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Keywords | レシーバ関数解析 / モホ面 / 屈折法解析 |
Research Abstract |
1)大陸地殻や他の島弧地域との比較を行った 大陸地域においても,多くの場所で人工地震をもちいた構造探査による地殻構造やレシーバ関数解析による地殻構造が求められている.それらのデータを集めて比較検討し,大陸地域や他の島弧においてもサブモホ面が見られるのかどうか調べた.サブモホ面は大陸地域では見られず,島弧特有の構造であることがわかった,また,サブモホ面と地質図や火山の分布等と比較検討を行ったところ,地域的特長が抽出できた.その結果,サブモホ面は活火山が存在する地域にみられることがわかった. 2)サブモホ面の形成原因の究明をおこなった. さまざまな地域で調べた地域的特長やサブモホ面の存在する地殻構造の特徴,さらには,サブモホ面での反射係数や透過係数等の物理量をもとにサブモホ面の実体を探った.島弧の最上部マントルの構造は,反射波がほとんど見られない「透明な」大陸の最上部マントルと違い,構造探査等によって得られる屈折波から求められた屈折モホ面とサブモホ面の間の部分は,散乱波が卓越していることがわかった。このことは,最上部マントルに顕著な不均質構造が存在していることを示す.さらに,その不均質構造も成層構造をなしているのではなく,変形をうけた不均質な構造をしていることがわかった.これらの構造的特徴とその出現する地理的特徴からその成因について議論をおこなった. サブモホ面の形成は火山地域と大きく関係し不均質構造が存在することから,Magmatic under platingによって,マントルから上昇してきた物質がモホ面の下に付加したものと考えられ,サブモホ面はその付加された物質の下の境界面をみている可能性が大きいことがわかった.
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