2009 Fiscal Year Annual Research Report
短周期常時微動の自己相関関数による地殻内散乱構造の研究
Project/Area Number |
20540409
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古本 宗充 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (80109264)
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Keywords | 地震 / 地球・惑星内部構造 / 固体地球物理学 / 散乱 / 地殻・マントル物質 |
Research Abstract |
常時微動からコーダ波に当たる波形を構成し、コーダQ値を推定する手法の妥当性の検証および改良のために、昨年度に引き続き伊豆大島の観測点20数点分のデータ解析を進めた。その結果おおよそ半数の点においてはほぼ問題なく疑似コーダ波形を形成することができた。この波形から推定されたコーダ波Q値は観測点間で数100から100前後まで差があり、地域差を検出できた。Q値は島の東側で小さく、中央部で大きい傾向があり、島の構造を反映した分布を得ることができた。差し渡し10km程度の領域の分布を示したことになり、従来のコーダQ推定に比べて高い空間分解能で構造不均質の研究に使える可能性を明らかにした。また、推定されたQ値は、通常の方法で得られたコーダQ値と同様に、周波数依存性を示すこともわかった。周波数依存性が高い観測点と低い観測点があることも分かった。この周波数依存性の原因についても検討を行った。一方ほぼ半数の観測点については、観測データに様々なタイプの人工的なノイズが混入していることが分かった。波形のスペクトルなどを詳細に検討したところ、一見したところ正常なコーダ波形を与えているように見える観測点でもノイズの混入が影響する可能性が分かった。これらは本研究の手法に対して深刻な問題であることが分かったので、こうしたノイズを除去する方法を確立することを目指して様々な検討を行った。ただし本年度中にその方法を確立することはできなかった。こうした問題を含めて、これまでの結果を、学会を含めていくつかの研究会で報告した。
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Research Products
(1 results)