2010 Fiscal Year Annual Research Report
豊後水道地域における低周波微動と超低周波地震の同時自動モニタリング
Project/Area Number |
20540412
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
須田 直樹 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10222069)
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Keywords | 豊後水道 / 低周波微動 / 非火山性微動 / 超低周波地震 |
Research Abstract |
本研究は,西南日本で発生している低周波微動の活動域の最西端である豊後水道地域に,臨時広帯域地震観測点を設置して,同地域における低周波微動と超低周波地震の活動を自動モニタリングし,それらの関係を明らかにすることを目的としている。本年度は,以下の研究計画のもと,研究を実施した。 (1)鶴御崎臨時観測点における通信システムの構築 大分県佐伯市の鶴御崎ミュジアムパーク休憩所内へ再設置した地震計測システムに,FOMAデータ通信を用いた通信システムを加えた。これまで四国側に比べて九州側の豊後水道周辺の観測点ではノイズレベルが高かったが,これによって九州側でもノイズレベルの低い微動データが準リアルタイムに入手可能になった。 (2)「低周波微動自動モニタリングシステム」のソフトウェア改良 現在運用している「低周波微動自動モニタリングシステム」における震源決定方法を,3次元速度構造を用いる方法に改良し,システムへの導入を行った。また,波形の位相情報が不十分な場合には,振幅情報を用いた震源決定方法を適用するように改良したが,システムへの本格導入は見送った。 (3)「超低周波地震自動モニタリングシステム」構築の試み 「低周波微動自動モニタリングシステム」と同様なシステムを,超低周波地震についても構築することを試みたが,広帯域地震計の臨時設置では長周期水平動成分のノイズレベルを下げられず,当初の予定とは異なり上下動成分しか解析には使用できなかった。そのため,日振島と鶴御崎の2点観測のみではモニタリングを自動化できなかった。自動化にはもう1点の広帯域地震計の設置が必要であることが分かった。
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