2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540414
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
筒井 稔 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 教授 (10026172)
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Keywords | 地中電磁波パルス / 地震関連電磁波 / 波源位置特定 / 多点観測網 |
Research Abstract |
地殻活動に伴って電磁波パルスが発生しているだろうとの仮説に基づいて、その検出確認のため、深さ100mのボアホール内に独自に開発した電磁波センサーを挿入して、観測研究を続けてきた。この観測で、内陸部では電力線から放射される人工電磁波パルスが極めて多く、観測への干渉が強いため、静穏な観測点が必要であった。そこで、白浜に新たな観測点を完成させ(平成20年度)。そこでは、磁界の3次元成分検出センサーを地中と地上に設置し、データを比較する事により、地中媒質の電気的パラメータを算出する事ができ、更に地中で検出される電磁波パルスの伝搬モード等様々な振る舞いを明らかにできた。その結果、白浜の地中で検出される電磁波パルスの殆どが雷放電によるものであり、その中に混入していた性質の異なる少数の電磁波パルスについても調べた結果、それは電力に関係した人工電磁波パルスである事が判り、この一連の観測では地中励起の電磁波パルスを発見する事は出来なかった。そこで平成22年度はその対策として、一層高感度なセンサーの開発と、厳密な電磁波伝搬理論を実践に適用するために、電界・磁界の各3次元成分、計6成分のデータから電磁波到来方位を決定する信号処理と解析方法の開発を行ってきた(現在、その特許を出願中)。この装置は地中から伝搬してくる電磁波と地上からの不要雑音とを分離できる機能を持っているので、これまで見つけられなかった地中励起の電磁波パルスを発見できる可能性がある。また、これまで以上に観測環境の良い観測点として、白浜から約51kmの東南東の紀伊大島に新たな観測地を確保し、深さ150mのボアホールを構築して、新たな観測施設を完成させ、そこに開発した電磁界6成分検出用センサーを挿入して、平成23年3月から観測を開始した。現在、試験観測と、データ処理法の最適化のための修正等を行っている段階である。
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Research Products
(6 results)