2010 Fiscal Year Annual Research Report
カルデラ噴火機構とマグマ溜まりの発泡プロセスに関する研究
Project/Area Number |
20540415
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
斎藤 元治 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (20357057)
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Keywords | カルデラ / 噴火 / マグマ溜まり / 揮発性成分 / 発泡 / 火山 / メルト包有物 / 二次イオン質量分析 |
Research Abstract |
今年度は、6つの巨大カルデラ噴火(鬼界葛原、鬼界アカホヤ、姶良、阿多、阿蘇3、阿蘇4)を研究対象とし、各噴火試料について、メルト包有物分析のための試料調整、全岩化学組成分析(阿蘇3、阿蘇4のみ)、二次イオン質量分析(SIMS)のための標準ガラス試料作成と測定条件決定を行った。 1.阿蘇3および阿蘇4カルデラ噴火試料の蛍光X線分析を行い、噴火マグマの主成分元素組成を決定した。 2.鬼界葛原、鬼界アカホヤ、姶良、阿多カルデラ噴火試料について、メルト包有物のEPMAおよびSIMS分析のための試料調整(鉱物分離、メルト包有物の研磨等)を実施した。その結果、鬼界葛原34個、鬼界アカホヤ232個.姶良40個、阿多28個のメルト包有物が分析可能な状態になった。 3.安山岩およびデイサイト組成の火山岩粉末試料に、炭酸イオンを含んだ水溶液を適当量加え、高圧実験容器である白金パイプ(径3-5mm、長さ30mm)に封入した。内熱式ガス圧装置を用いてこの試料を1300℃、196MPaで3時間加熱し、溶融後、急冷し、標準ガラス試料10個を作成した。 4.水および二酸化炭素濃度を決定した標準ガラス試料を用いて、二次イオン質量分析(SIMS)による火山ガラスの水および二酸化炭素濃度測定の測定条件および分析誤差を決定し、その結果を論文の一部として公表した。 5.鬼界アカホヤ噴火マグマ溜りに関するこれまでの研究成果を日本語および英語のWebページとしてまとめ、所属研究機関のホームページの一部として公開した。
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