2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540424
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩山 隆寛 Kobe University, 理学研究科, 准教授 (10284598)
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Keywords | 一般化された2次元流体 / グリーン関数 / リースポテンシャル / 非整数冪ラプラシアン / α乱流系 |
Research Abstract |
地球流体力学で知られている複数の2次元流体系を統一的に記述できる系として提唱された一般化された2次元流体系について,本年度はこの系のグリーン関数とそれから導かれる系の幾つかの基本的特性について議論した. ここでのグリーン関数とは移流される場(ここで渦度と呼ぶ)の単位大きさ,デルタ関数的分布によって作られる流れ関数のことを指す.従ってこのグリーン関数は,単位の流れ源に対する場の応答の基本特性を現すもので重要な量にもかかわらず,今まで議論されてこなかった.系に含まれる実数パラメターαに依存して,グリーン関数の関数形は異なる.αが正負の偶数でなければ,グリーン関数は非整数階微積分で知られたリースポテンシャルになる.αが正の偶数ではリースポテンシャルに対数補正が現れる.またαが負の偶数ではデルタ関数の高階ラプラシアンでかける.また,点渦を中心とする周方向の速度はグリーン関数から計算でき,その結果この系はパラメターαが3よりも大きいときには非物理的な解をもつことがわかった.さらに,小スケールで渦度の移流特性がα=2で転移する既存の性質もグリーン関数を用いて説明することに成功した. 今まで一般化された2次元流体の平行流の安定性は,線形問題ですら計算機を用いた数値的研究しか行えなかったが,求められたグリーン関数を用いることにより平行流の安定性問題を解析的に取り扱える可能性が拡がった.
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Research Products
(6 results)