2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540425
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金子 新 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (10038101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陸田 秀実 広島大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80273126)
駒井 克昭 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90314731)
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Keywords | 来島海峡 / 潮流 / 海峡通過流量 / 沿岸音響トモグラフィー |
Research Abstract |
2008年8月24日〜9月8日の間に、来島海峡西水道に、3台の沿岸音響トモグラフィー装置を海峡両側に設置し、音響局間で送受信される音波を利用する潮流の長期連続計測を実施した。船舶の通行や強流時に海中に巻き込まれた気泡によるデータの欠測部を、主要4分潮を考慮した調和解析で内挿し、連続データにすることに成功した。約15日にわたる平均流速データと通過断面積の積を取ることにより、海峡を通過する潮流の流量は大潮と小潮で±10,000m^3/s〜±30,00m^3/Sの範囲内で変動することが明らかとなった。 過去において、来島海峡の流速は、海上保安庁が海面漂流浮子を海峡中央部に約半月に渡って連続的に投入することによって計測した例があるのみである。このような計測法では、船舶の安全な通行に重要なパラメータである海峡中央部表層に発生する最大流速を計測できるものの、通過断面平均流速を計測することはできない。環境影響評価に重要なパラメータである潮流の海峡通過流量は、通過断面平均流速に通過断面積を乗じることにより求めることができる。 今回、来島海峡西水道を通過する潮流流量を小潮から大潮に渡って連続計測できたことは、船舶の通行の下でも計測を実施できる本手法の適用によって初めて可能になったことである。 来年度は、来島海峡中水道と西水道を同時に計り、来島海峡全体を通過する潮流流量を、計測により明らかにする。
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