2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540425
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金子 新 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10038101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陸田 秀実 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80273126)
駒井 克昭 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90314731)
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Keywords | 来島海峡 / 潮流 / 残差流 / 海峡通過流量 / 沿岸音響トモグラフィー |
Research Abstract |
2009年7月2日~8月6日の間に、今治市と大島の間の来島海峡(西水道と中水道を含む)の両岸に、3台の沿岸音響トモグラフィー装置を設置して得た実験データと、来島海峡の西側に隣接する安芸灘で2010年に、2台の沿岸音響トモグラフィー装置で得た実験データを総合解析することにより、瀬戸内海中央部に及ぼす黒潮の影響に関する以下の重要な知見を得た。 1)来島海峡では、海水が、7,200m^3/sの平均通過流量で東向きにゆっくりと移動している。この流量で瀬戸内海水が黒潮水と交換するとすれば、瀬戸内海水は黒潮水と3.9年で完全に入れ換わることになる。 2)来島海峡において5日周期の水温変動が発生する。この水温変動は、0.45m/sの位相速度で東向きに伝播する。 3)安芸灘では、水温変動は、5日、7日および21日の周期で発生する。この5日と7日周期の変動が来島海峡では、合体して少し幅の広い5日周期のスペクトルピークになる。 4)瀬戸内海中央部ではこれまでに観測されたことのない、5日、7日の長周期波動は、豊後水道で発生した急潮に伴う長周期波動が瀬戸内海中央部まで伝播してきたものと考えられる。 5)瀬戸内海中央部におよぼす黒潮の影響を解明するには、安芸灘と豊後水道の同時計測が必要である。
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