2009 Fiscal Year Annual Research Report
東シナ海から流入する大陸河川起源の淡水が日本海及び三陸沿岸の海洋環境に及ぼす影響
Project/Area Number |
20540426
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
千手 智晴 Kyushu University, 応用力学研究所, 准教授 (60335982)
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Keywords | 海洋物理・陸水学 / 自然現象観測 / 水圏現象 |
Research Abstract |
本研究の目的は、東シナ海から対馬海峡を通して流入した大陸河川(主に長江)に起源を持つ淡水が、日本海の中でどのように拡散し、どのくらい遠方の海域にまで影響を与えうるのかを、現場観測と既往観測資料の解析を通して明らかにすることである。現場観測については、昨年度に引き続き対馬海峡から日本海岸に沿って津軽海峡西部までの13測点で表層水温・塩分のモニタリングを実施した。ただし、佐渡東岸に新たに測点を設ける一方で、津軽海峡東部の測点を廃止し、日本海北部での低塩分水の挙動の把握に重点を置いた。昨年度の資料と合わせて観測結果を解析したところ、低塩分水は対馬海峡から能登半島まで約1ヶ月、さらに津軽海峡まで約1ヶ月の合計約2ヶ月の時間スケールで移流されていることがわかった。また、低塩分水は移流の過程で周囲のより高塩分な水塊と混合し、変質を受けつつ輸送されていることが示された。既往観測資料の解析については、石川県水産総合センターより提供を受けた能登半島北西沖での定線観測資料を解析し、水温・塩分場の季節・経年変動について考察した。能登北西海域の表層塩分が最も低くなるのは9~10月であり、対馬海峡での最低塩分月(8月)よりも約1ヶ月遅れている。これは、現場観測から見積もられた低塩分水の移流時間スケールとも一致する。塩分場の経年変動について経験的直交関数解析を行ったところ、第1モードとして断面全域で同位相で変動するモードが、第2モードとして半島周辺の陸棚上と沖合亜表層が逆位相で変動するモードが抽出された。これらの各モードと対馬海峡の塩分の経年変動モードを比較した結果、対馬海峡東水道の変動を代表する第1モードと能登沖の第1モードとの間にラグ1ヶ月で弱い相関が認められた。以上の成果を学会発表,論文等により公表した。
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