2009 Fiscal Year Annual Research Report
能動型衛星データと数値モデルによるエアロゾル間接効果の実態把握とメカニズム解明
Project/Area Number |
20540427
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
河本 和明 Nagasaki University, 環境科学部, 准教授 (10353450)
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Keywords | 間接効果 / 能動センサー / 数値モデル |
Research Abstract |
本研究は、人工衛星データ(とりわけ鉛直方向の情報が得られる能動型センサー)と数値モデルを用いてエアロゾル間接効果をより深く理解するという目的のために、データを用いて実態を把握する解析軸と数値モデルを用いて各プロセスの寄与やメカニズムを探求するモデル軸という2つの柱を準備して行っている。開始2年目である今年度は、解析軸ではCALIPSO(Cloud-Aerosol Lidar and Infrared Pathfinder Satellite),CloudSat,TRMM(Tropical Rainfall Measuring Mission)といった衛星データから、エアロゾル・雲・雨の動態の特徴を抽出する試みを行った。またモデル軸では昨年度に行った数値モデルの高度化(計算の高速化や容易なI/O等)を経て、観測事実の再現や各プロセスの定量化を行った。 本年度の具体的成果としては、暖かい雲(温度が273K以上の雲)を対象にして、粒子収集効率の推定のための多センサーによる統合的観測の可能性について検討したことが挙げられる。例えばCloudSatのようなレーダー、MODISのような受動型可視赤外放射計、AMSR-Eのようなマイクロ波放射計を組み合わせて使用すると、雲内の水粒子を収集する効率を推定することができる。実際には雲水総量とレーダー反射率の関係を求め、また粒子収集効率の頻度について議論した。そしてこれらの結果を査読付き学術雑誌(SOLA:Scientific Online Letters on the Atmosphere)に投稿し、出版された。
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Research Products
(5 results)