2008 Fiscal Year Annual Research Report
カービング氷河の変動と氷河前面湖とのフィードバック仮説の検証とモデル開発
Project/Area Number |
20540430
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 望 Hiroshima Institute of Technology, 環境学部, 准教授 (90368762)
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Keywords | 氷河湖 / カービング / 氷河変動 / 氷河流動 / ヒマラヤ / パタゴニア / 人工衛星画像 / 氷河水文環境 |
Research Abstract |
ネパール・ヒマラヤ中西部の4氷河湖とブータン・ヒマラヤ西部の3氷河湖について、新旧の人工衛星画像を解析することにより、面積拡大速度を算出した。これまでに解析してきた分も含めると、ネパール16個、ブータン14個、計30個の氷河湖について解析を終了した。これらの氷河湖は、2001年にICIMOD(国際総合山岳地域開発センター)が発表した「潜在的に危険な氷河湖」(ネパール20個、ブータン24個)に含まれるが、我々の解析結果では、7個の氷河湖は急速に拡大しているが、残り23個は拡大速度がきわめて小さくむしろ安定な氷河湖と考えられる。すなわちICIMODの評価よりもさらに決壊の危険が切迫しつつある氷河湖を絞り込む結果となっている。 一方、氷河湖の急速拡大をもたらす、氷河末端氷崖の湖への崩落というカービング現象の活性度や湖水と氷河流動との定量的関係を探ることを目的としたプロセス研究を、南米パタゴニアのペリート・モレノ氷河を対象として進めている。このペリート・モレノ氷河における過去2ヶ年度の調査概要を日本雪氷学会全国大会にて発表し(内藤ら,2008)、そのうちデジタル写真測量による氷河流動測定については共同研究者によって国際・国内学会にて発表された(Matsumoto et al.,2008;松本ら,2008)。そして今年度は2008年12月26日〜2009年1月8日に、氷河前面湖の水位を連続測定するとともに、氷河末端部の縁辺位置変動と流速、上流での氷厚変化等を測定する調査を実施した。
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Research Products
(3 results)