2008 Fiscal Year Annual Research Report
非回転及び回転する磁気圏プラズマ中に於ける磁気流体不安定性の理論的研究
Project/Area Number |
20540436
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 彰 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (20126171)
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Keywords | 交換型不安定 / 磁気圏 / プラズマ / 電磁流体不安定 / 電離層駆動型交換型不安定 / 圧力駆動型交換型不安定 / 非回転の磁気圏モデル / 内部磁気圏 |
Research Abstract |
静磁気流体力学的な力の平衡を満たす任意の非回転の磁気圏モデルに対して、最も基本となる磁気圏の交換型不安定の安定性基準を導き出した。導出は磁気圏のエネルギー原理に基づき、非軸対称な磁気圏モデル中の沿磁力線電流は磁気圏あるいは電離層中の反磁性電流によって閉じると仮定する。垂直方向の波数が非常に大きいという極限で垂直方向のプラズマの変位をアイコナールを使って表すことにより、磁気圏の交換型不安定は圧縮性であることが示される。電離層の境界条件として圧縮性を持つ交換型の発生を許す水平方向に自由な境界条件を与え、磁気圏のフラックス座標を用い、磁気圏のポテンセヤルエネルギーの変分を求める。水平方向に自由な境界条件の元では、電離層の有限変位はポテンシャルエネルギーへの負の寄与を与え不安定化に寄与するが、実際に磁場がダイポールで近似される軸対称、南北対称で低プラズマベータの磁気圏モデルに対して、m=1あるいはm=2(mは方位モード数)のモードは赤道面のプラズマベータ値が1程度より小さければ不安定になることが示される。今まで磁気圏の磁力線を曲げない交換型モードは磁気圏の年力勾配のみによって不安定化される圧力牽動のモードと考えられていたので、これは電離層の有限な変位が交換型モードを励起する可能性を示し意義がある。圧力駆動の交換型不安定については非軸対称有限プラズマベータの磁気圏モデルに対して、子午面内だけでなく、経度方向に平行な平面内の圧力勾配と磁力線曲率の相乗効果が圧力駆動の交換型不安定を引き起こすことも明らかになった。以上の結果からダイポール磁場で良く近似される内部磁気圏あるいは地球に近い磁気圏の大部分の領域は赤道面のプラズマベータ値が1以下で、球面の電離層上のプラズマの水平方向の変位によって引き起こされる電離層駆動の交換型不安定に対して不安定となることが示される。
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Research Products
(1 results)