2008 Fiscal Year Annual Research Report
中央構造線および跡津川断層のシュードタキライトを用いた断層の活動履歴の決定
Project/Area Number |
20540449
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高木 秀雄 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (60154754)
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Keywords | シュードタキライト / 跡津川断層 / 中央構造線 / フィッショントラック年代 / ジルコン |
Research Abstract |
2008年度は,次の3地域についてシュードタキライトの産状調査,試料サンプリングならびにフィッショントラック(FT)年代測定を試みた. 1.跡津川断層真川露頭本露頭から見つけたシュードタキライトについて,ジルコンを分離し, FT年代を測定した結果,48.6±2.4Maという結果が得られた,この結果は少なくとも活断層である跡津川断層東部の破砕が始新世から開始されたことを物語っている.ただし,母岩の破砕された花崗岩中のFT年代も56.1±1.6Maと予想の年代(ジュラ紀)よりはるかに若い結果が得られたため,2009年度ではさらに母岩の年代について吟味する予定である. 2.中央構造線針の木沢露頭新たに発見された長野県大鹿村針の木沢のシュードタキライトについて,量が限られていたもののジルコンを分離し,合わせて母岩のマイロナイトのFT年代も測定した.その結果,シュードタキライトが62.3±3.0Ma,母岩が63.6±2.0Maとなり,誤差範囲で一致した.シュードタキライトの年代は三重県の中央構造線で記載されたシュードタキライトの年代(60.0Ma)と一致したことから,中央構造線の脆性破砕が60Maまで遡れることが明らかになった.この結果は,筆者らが従来実施してきた中央構造線沿いの断層ガウジの最も古いK-Ar年代グループの結果とも一致する.さらに,母岩の年代との一致については,ジルコンの閉鎖温度(約250℃)に冷却した時にシュードタキライトが生成したことを意味していると考えられる.また,現在三重のシュードタキライトの母岩を新たに採取し,FT年代のデータの追加を実施中であり,その結果が出たら論文にまとめる予定である. 3.中央構造線湯谷口露頭本露頭から見出したシュードタキライトについて現在検討中であるが,母岩の安山岩も含めてジルコンが含まれていないので,FT年代は難しい.
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Research Products
(3 results)