2011 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本外帯蛇紋岩体の変形-磁性-年代解析による間欠貫入の検証
Project/Area Number |
20540451
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
芳野 はるか (山口 はるか) 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 客員研究員 (80359207)
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Keywords | 蛇紋岩 / 地磁気ダイポール異常 / 間欠貫入 / 変成変形過程 / テクトニクス |
Research Abstract |
西南日本外帯に間欠分布する地磁気ダイポール異常を示す蛇紋岩体について形成過程を考察することを目的として、今年度は以下の研究を行った。 1、野外調査:四国中央部および東部において産状調査と試料採取を行った。 (1)四国中央部(逢坂)および東部(坂州)にて、蛇紋岩体中のロジンジャイトとその周囲の蛇紋岩との反応帯を確認した。剪断変形により双方ともに伸長・分断を被っている様子が観察できた。 (2)試料採取:年代測定のため、ロジンジャイトから蛇紋岩に至る連続岩石試料を採取した。 2、室内解析: (1)微細構造組織解析および化学分析、岩石磁気解析結果の照合:四国西部と中央部、東部と紀伊西部のいずれでも、2段階の蛇紋岩化作用が確認できた。block部分ではリザルダイトを中心とした蛇紋岩化、matrix部分では剪断変形を伴うクリソタイルを中心とした蛇紋岩化が観察できる。前者は残留磁気が強く、マグネタイトがスピネル周囲に等方的に成長し、多磁区的な磁気挙動を示す。一方、後者ではマグネタイトは細粒或は針状で異方的に成長し、より短磁区に近く抗磁力が強い。これより、現在の磁場に調和的な地磁気ダイポール異常の要因は、初期の蛇紋岩化作用による多磁区化にあり、後期剪断変形により磁気異常が乱された可能性が考えられる(山口ほか、2011)。ただし、初期構造を残す四国東部では、メッシュ組織に沿って脈状に分布したマグネタイトが短磁区的に挙動し、ガウジなど脆性剪断変形を伴う四国西部では、著しく細粒なマグネタイトの抗磁力が変形に伴い降下する傾向が認められるなど、この2段階の前後にも蛇紋岩化過程が確認できた。 (2)年代測定:ロジンジャイトから蛇紋岩に至る連続試料について、粉砕後にすいひや重液分離、酸処理など様々な手法を用いてジルコン分離を計ったが、いずれからも測定に適した粒子を抽出することができなかった。
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Research Products
(1 results)