2010 Fiscal Year Annual Research Report
房総半島に分布する海成堆積層を用いた,鮮新統~更新統における高精度基準層序の確立
Project/Area Number |
20540453
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 准教授 (00250978)
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Keywords | 房総半島南端 / 千倉層群 / 酸素同位体層序 / 古地磁気層序 / 鮮新統-更新統境界 |
Research Abstract |
千倉層群布良層中~上部において,層厚約3m間隔で計80層準から岩石試料を採取し,石灰質の有孔虫殻を抽出した.80層準のうち,50層準において同位体測定に十分な量の有孔虫殻が抽出され,いくつかの層準において複数種の底生有孔虫を拾い出した.これらをあわせ、本研究では合計70試料の同位体測定を行った. 種間校正後の酸素同位体値を用いたカーブを、当該地域で得られた古地磁気層序結果を基準とし、LR04酸素同位体標準カーブと対比することで、千倉層群布良層~畑層にかけての酸素同位体層序の構築を行った。その結果、本研究層準は約1.7~3.5Maの間における酸素同位体変動をほぼ連続的に記録していることがわかった。 古地磁気および底生有孔虫の酸素同位体を基に,千倉層群布良層上部の層厚約500mにわたる層準における詳細な編年を行った.その結果,当該層準がKaena逆磁極亜帯を含むGauss正磁極帯上部および松山逆磁極帯下部に,得られた酸素同位体カーブはLR04酸素同位体標準カーブとの対比によりMIS G16~93の間に対応することがわかった.さらにテフラ層Okr1-15を認定し,岩相,鉱物組合せおよびガラスの化学組成の類似性からその内8枚を本邦で報告されている広域テフラと対比した.またLR04タイムスケールでMIS104とされていたMatuyama/Gauss境界は,MIS 103に当たることがわかった.これはATNTS2004で採用されている地中海の腐泥層序と整合的である.
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Research Products
(2 results)