2009 Fiscal Year Annual Research Report
玄武岩マグマの加熱による地殻の溶融-沈み込み帯のフェルシックマグマの起源-
Project/Area Number |
20540463
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
周藤 賢治 Niigata University, 自然科学系, 教授 (50143748)
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Keywords | 玄武岩マグマ / フェルシックマグマ / 下部地殻 / 部分溶融 / 北海道北部 |
Research Abstract |
北海道紋別,雄武,歌登,中頓別地域の中新世のデイサイト~流紋岩についての地質調査とともに岩石の採集を行った。これらの岩石について,研究支援員の協力のもとに,(1)EPMAによる鉱物の化学分析、(2)ICPマス及び蛍光X線装置による岩石の主要・微量元素組成の精密分析、(3)表面電離型質量分析計によるSr,Nd同位体比の測定などを実施した。デイサイト~流紋岩のSr,Nd同位体比は,昨年度に測定した,糠平、留辺蘂、サンル,下川,丸瀬布地域に産する中新世のデイサイト~流紋岩とほぼ同様な値を示す(Sr同位体比が高く,Nd同位体比が低い)。すなわち,これらのフェルシック火山岩は同時代に形成された玄武岩とは著しく異なる同位体比をもつということである。このことから,紋別,雄武,歌登,中頓別地域の中新世のデイサイト~流紋岩の成因は,下部地殻の部分溶融あるいは玄武岩質マグマによる地殻物質の汚染作用のいずれかと考えられる。今後は下部地殻構成岩とみられる岩石についてもSr,Nd同位体比を測定し,その結果とデイサイト~流紋岩のSr,Nd同位体比との比較検討が重要な課題となった。
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Research Products
(1 results)