2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540472
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
松原 聰 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 名誉研究員 (40000137)
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Keywords | sklodowskite / masuyite / uraninite / oxycalciobetafite / throgummite / rowlandite-(Y) / iftisite-(Y) / shimazakiite |
Research Abstract |
1 福島県郡山市中田町高倉愛宕山の超苦鉄質岩を貫く花崗岩ペグマタイト脈から産する、ウラン、トリウム、ニナブなどを含む鉱物を研究し、我が国初産となるsklodowskite(Mg(UO_2)_2Si_2O_7 6H_2O)とmasuyite(Pb(UO_2)_3O_3(OH)_2 3H_2O)と思われる種を発見した。これらのウラン二次鉱物は、oxycalciobetafite((Ca,U)_2(Ti,Nb)_2O_7)やその中に含まれているuraninite (UO_2)が分解して生成したもので、それらに含まれていたトリウムも一部が二次鉱物中に移動している。また、oxycalciobetafiteの外形を残したままthrogummite (Th(SiO_4)_<1-x>(OH)_<4x>)に変化しているがあり、これにはウランが含まれる。この産地のペグマタイトは、超苦鉄質岩を貫くため、全体的にマグネシウムに富むことが特徴で、通常このような花崗岩ペグマタイト中の電気石は鉄に富むか、ここではマグネシウムに富む。特異な花崗岩ペグマタイトの元素移動を考える上で重要な知見である。 2 三重県菰野町宗利谷の花崗岩ペグマタイト中のレアアースを主成分とする鉱物を研究し、rowlandite-(Y)(Y_4FeSi_4O_<14>F_2)のマグネシウム置換体とiftisite-(Y)((Y.Dy)_4(Ti,Al)(SiO_4)_2O(F,OH)_6)を発見した。前者は国際鉱物学連合に新鉱物として申請中である。また、後者はかつてロシアから新種として報告されたものの、科学組成の情報が不備であったため、国際鉱物連合では正式認定を取り消したものである。ところが、我々の研究でほぼ完璧な化学組成が明らかにされたことにより、新種としての再認定を申請する予定である。これらについては日本鉱物科学会で講演した。 3 岡山県高梁市備中町布賀鉱山産の含ホウ素脈の構成鉱物を検討し、新種であるshimazakiite(Ca_2B_<2-x>O_<5-3x>,x=0-0.06)を発見し、国際鉱物学連合より新種としての認定も受け、日本鉱物科学会で講演し、その研究結果を国際誌に投稿中である。 4 中国内モンゴルのレアアース鉱床から発見したfluorokinoshitaliteとfluorotetraferriphlogopiteの論文を、Clay Scienceで公表した。
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Research Products
(4 results)