2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540473
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
横山 一己 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 地学研究部, グルーブ長 (40126628)
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Keywords | かこう岩 / 閃ウラン鉱 / トール石 / 年代 |
Research Abstract |
日本列島は、多くの地質帯に別けられ、それぞれの地質帯の形成史が詳しく議論されているが、主要構成物である白亜紀花崗岩類に関しては未だ年代による分類が不明なものが多くある。本研究は、閃ウラン鉱やトール石の高精度のEPMA年代を求め、日本列島の白亜紀花崗岩類の年代分布を明らかにすることによって、それぞれの時代の地質帯のつながりを解明することを目的とする。 本年度は、九州北部のかこう岩、東北中部、北海道南部の年代分布を調査した。九州北部では、約60資料のかこう岩の年代を測定し、85Maから115Maまで年代の幅があることが判明した。今までの年代値では80-130Maと漠然としていたが、今回の測定でそれぞれの岩体が別々の年代(85Ma前後、100Ma前後、110Ma,115Ma)を持ったものであることが明らかにされたことに大きな意義がある。東北地域では、白亜紀と思われた海岸沿いのかこう岩がSHRIMPでも300Maであることが明らかにされた。東北中部の他のかこう岩では一般的な80Ma前後の年代が得られ、西南日本と東北日本の境がより詳しく解析できた。また北海道南部のかこう岩の所属は東北の北上山地と同様と言われてきたが、ほぼ東北のかこう岩と同様な120Maの年代が得られた。このデータは、以前のデータを傍証するものとなったが、今までよりはるかに高い精度での比較である。本年度の調査でも多くが白亜紀の年代を示すかこう岩であったが、それぞれの延長問題を議論するにはさらに次年度で多数のかこう岩の年代を測定する必要がある。
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