2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子性気体の大気圧非平衡プラズマの素過程と発光分光計測に関する研究
Project/Area Number |
20540480
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤塚 洋 Tokyo Institute of Technology, 原子炉工学研究所, 准教授 (50231808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 治明 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (70262326)
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Keywords | 大気圧プラズマ / 非平衡プラズマ / 発光分光計測 / 励起状態の生成消滅 / レート方程式 / 窒素プラズマ / 発光線の同定 / 反応速度係数 |
Research Abstract |
酸素、窒素、およびその混合気体を中心として、大気圧放電プラズマを生成した際に、その内部で、電子衝突による分子の振動・電子励起状態生成や、解離性衝突による原子・ラジカルの生成、負イオン、各種の準安定状態などの生成消滅につき、データレビューを実施した。電子衝突は勿論、ラジカルや励起状態同士の衝突反応、基底状態分子との衝突による失活反応についても、各種の素過程データを収集した。 各種の断面積データや反応速度定数の収集評価と共に、各種反応の逆反応速度係数についてもデータの収集に努めた。逆反応速度定数に関するデータのない場合には、分光学的手法に則り、分配関数から平衡定数を理論計算により求めた。その際も、各種の分子に関して振動・回転等の分子に関する基本データが必要となったので、これらの収集に関して各種の文献調査を実施した。 断面積データのある程度の収集とともに、平成20年度後半から、プラズマ内における励起状態や原子状ラジカル、負イオン等の生成消滅に関して、レート方程式を立式し、定常状態におけるそれら励起状態等の数密度を、電子温度・密度、ガス温度の関数として表現できる様にしたが、いまだ大気圧状態での生成消滅を矛盾無く記述することは完成していない。現状では、与えられた速度係数が低気圧放電時に取得され、低気圧時に妥当とされた値であることが判明したので、まずは低気圧時の窒素プラズマを対象として、励起状態の生成消滅を検討し、放電圧力数Torrの範囲で、励起状態の生成消滅を記述することが可能となった。今後、放電気圧を上昇させることに対応する理論モデルが必要であることが判明した。 実験的には、まずは大気圧の酸素、窒素あるいはそれらの任意の混合比の放電気体を主な対象として、計測可能な発光線・発光帯の同定をおこなった。
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Research Products
(5 results)