2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20540481
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大澤 幸治 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (10115537)
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Keywords | プラズマ物理 / 粒子加速 / 無衝突衝撃波 / 粒子シミュレーション / 磁気流体波 |
Research Abstract |
平成21年度は、衝撃中の沿磁力線電場の粒子加速に対する効果、および、弱磁場中のプラズマの大振幅磁気音波とアルヴェン波における粒子加速、について理論と計算機シミュレーションで研究を行った。 特に前者の研究に力を注ぎ、大きな成果を得た。すなわち、平成21年度までの私どもの研究で非線形磁気音波における沿磁力線電場の強さについて従来の常識を覆す重要な結果を得たが、その成果に基づいて、米国テキサス大学核融合理論研究所のHorton教授等と共同研究を行い、沿磁力線電場が粒子加速に及ぼす効果を調べた。調査の対象としたのは、相対論的イオンの多段加速(Usami & Ohsawa, Phys.Plasmas 2002)、捕捉電子の加速(Bessho & Ohsawa, Phys.Plasmas 1999)、および磁力線方向への陽電子加速(Hasegawa, Kato, and Ohsawa, Phys.Plasmas 2005)である。この研究を通してこれらの加速機構に対する理解がより明確になった。 後者に関しては、磁気音波衝撃波の後方に形成されるアルヴェン波束の性質と、それによって加速される粒子の性質について粒子シミュレーションで調べた。その結果、アルヴェン波束によって加速される電子は主に衝撃波面の後方から供給されることが見出された。これは従来の多くの加速機構とは大きく異なる性質である。
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