2008 Fiscal Year Annual Research Report
詳細シミュレーションによる高密度爆縮プラズマ中での核燃焼波伝搬機構の解明
Project/Area Number |
20540482
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城崎 知至 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (10397680)
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Keywords | 高密度プラズマ / 核燃焼波 / 中性子加熱 / 中性子輸送 / 電子縮退 / 核燃焼シミュレーション |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき、高密度プラズマ中での核燃焼波伝搬シミュレーションのために、下記の1次元コードの開発・整備を行った。 1.中性子加熱計算部の開発:高燃焼率を達成するようなサイズの大きな燃料中で重要となるDT反応生成14MeV中性子によるプラズマ加熱を考慮するために、1次元中性子輸送コードの開発・燃焼コードへの組み込みを行った。また、九州大学中尾教授の研究グループの助力を得て、米国評価済核データセットENDF/Bをベースに輸送計算に用いる輸送断面積の群定数セットを作成した。これにより、1次元体系において中性子加熱を考慮した計算を行える体制が整った。今後、実際に解析を行い、燃焼波伝搬における中性子加熱効果を調べる。また、より厳密な解析のために、中性子弾性散乱で生成する高エネルギー反跳イオンの輸送を考慮した解析コードの開発を行う。多次元解析では、輸送方程式を直接離散化して解く方法は計算コストがかかるため、より簡易な拡散モデルによる取り扱いを検討している。現在、九大中尾グループと共同で拡散モデル適用の妥当性評価を行っている。2次元燃焼計算における中性子の取り扱いについては、この比較結果をもとに開発を進める。 2.電子縮退の効果:電子熱伝導に対する電子縮退の効果をLee and More[1]モデルに基づいて考慮できるよう1次元燃焼コードの改良を行った。また、高エネルギーイオン(核反応生成α粒子)とバルク電子とのクーロン衝突過程に対しても縮退効果を考慮できるよう改良を行った[2]。これにより高密度・低温縮退プラズマ中でのエネルギー輸送過程を精度良く取り扱えるようになった。今後、電子・イオン間温度緩和や輻射の放出・吸収過程に対しても縮退効果を組み込み、燃焼波伝搬への影響を評価する。 [1]R. Lee and R. M. More Phys., Fluids27(1984)1273. [2]T. Johzaki, et al., Proc.of ICPP (Nagoya, 1996), 2(1997)2038.
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