2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ミラーを用いた低エネルギー荷電粒子蓄積の実験研究
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20540483
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桧垣 浩之 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (10334046)
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Keywords | 磁気ミラー閉じ込め / 非中性プラズマ |
Research Abstract |
本研究では磁気ミラー配位を用いて低エネルギーかつ低電流(数pA)の荷電粒子を蓄積する際の特性を明らかにすると共に、効率の良い、新しい荷電粒子蓄積方法を実験的に確立するのが第一の目的であり、第二の目的は低強度(<30μCi)の放射性同位元素を用いて極低電流の低エネルギー陽電子ビームを生成し、実際に新しい蓄積方法を適用して蓄積実験を行うことである。平成20年度は申請書に記した研究計画方法に基づき、第一の目的のうち1)単純磁気ミラーによる電子蓄積特性、2)強磁場側に電位を加えた時の蓄積特性、さらに3)蓄積領域に調和ポテンシャルを形成する場合の蓄積特性について実験を行い、結果を論文(Appl. Phys. Express,1(2008)066002)として発表した。これまでに明らかになったことは、 ・単純磁気ミラーではミラー比が大きいほうが閉じ込め時間が長いので蓄積量が多い ・サイクロトロン共鳴加熱は弱磁場側で行うと蓄積量が増える ・強磁場側に電位を加えると閉じ込め時間が長くなるため蓄積量が1桁増える ・蓄積領域に調和ポテンシャルを形成すると蓄積効率は下がるが、閉じ込め時間が非常に長くなるため蓄積量はさらに1桁増える こと等である。今後、磁気ミラー中で蓄積領域を調和ポテンシャルにしたときのサイドバンド冷却の効果を調べるとともに、次年度以降必要になる、低エネルギー陽電子の生成、検出に必要な装置を整備する予定である。
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