2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ミラーを用いた低エネルギー荷電粒子蓄積の実験研究
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20540483
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜垣 浩之 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (10334046)
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Keywords | 磁気ミラー閉じ込め / 非中性プラズマ |
Research Abstract |
本研究では磁気ミラー配位を用いて低エネルギーかつ低電流(数pA)の荷電粒子を蓄積する際の特性を明らかにすると共に、効率の良い、新しい荷電粒子蓄積方法を実験的に確立するのが第一の目的であり、第二の目的は低強度(<30μCi)の放射性同位元素を用いて極低電流の低エネルギー陽電子ビームを生成し、実際に新しい蓄積方法を適用して蓄積実験を行うことである。平成21年度は申請書に記した研究計画方法に基づき、第一の目的のうち蓄積領域に調和ポテンシャルを形成し、サイドバンド冷却や回転電場を適用する場合の蓄積特性について実験を行い、その閉じ込め時間や、径方向密度分布制御について調べた。さらに、磁気ミラーに閉じ込められた非中性プラズマの密度および電位分布を実験と計算機シミュレーションによって明らかにし、結果を論文(Phys. Rev. E, 81(2010)016401)として発表した。今年度明らかになったのは、 ・磁気ミラー中のペニングトラップでもサイドバンド冷却ならびに回転電場は有効に作用し、閉じ込め時間の改善や粒子密度の増加が可能である ・磁気ミラー中の電位閉じ込めでは高磁場側が、磁場閉じ込めでは弱磁場側が高密度になる ・中心軸上の電位分布としては、弱磁場側に異なる符号の電荷を閉じ込めるように1V程度の電位が形成され、その電位は磁場閉じ込めのほうが高い傾向がある こと等である。また、陽電子の輸送に必要な磁場コイルや陽電子の計測系も整備した。次年度以降、低エネルギー陽電子の生成、蓄積をする予定である。
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