2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属添加酸化亜鉛透明導電膜スパッタ成膜過程におけるプラズマ支援効果
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20540485
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 良信 長崎大学, 工学部, 准教授 (60199817)
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Keywords | 誘導結合プラズマ / スパッタリング / アルミ添加酸化亜鉛 / 透明導電膜 / プレーナマグネトロン / 電気導電率 / 吸収分光 / 熱流束 |
Research Abstract |
平成22年度の実施内容と成果を以下に列挙する。 1.サーマルプローブを用いてICP支援スパッタリングにおける基板入射熱流束を調査した。ICP支援の有無とプローブバイアスの有無の条件下、イオン・電子、中性粒子による寄与を定量的に評価した。また、パルス動作することにより、測定時間を従来法に比べて1/10に短縮できることができた。 2.ホローカソードランプを用いた原子吸光分光システムを用いて、AlおよびZn原子の密度計測を調査し、基板入射粒子束を評価した。ICP支援の有無が気相のZnとAlの密度に及ぼす影響を調査し、基板入射粒子束とそれへのICP支援効果を調査した。その結果、Al原子密度に関しては信頼性の高い計測が可能であったが、Zn原子密度計測に関しては、容器内のOHによると思われる吸収の重畳や容器壁からの再スパッタの影響があり定量的に議論するには問題があった。次に、発光ダイオードを吸収光源としてAl原子密度計測を行い、ホローカソードランプを用いた原子吸光計測とのクロスチェックを行った結果、両者でほぼ同等の密度が計測されることが確認され、発光ダイオードの吸収光源への利用の道が開けた。さらに、ICP支援スパッタにおけるプラズマ中の中性気体温度を直接計測するために波長可変半導体レーザー吸収分光システムの構築も行なった。 3.金属添加酸化亜鉛透明導電膜の更なる高品質化を目指して、成膜中の基板温度とターゲット中の添加金属元素濃度が膜質に及ぼす影響を評価した。実験の範囲内では飛躍的な導電性の向上は確認されなかったが、これまでのところ2×10-3Ωcmの導電率が直径5-6cmの領域に渡って分布する結果が得られた。 以上、ICP支援電力が増加するほど基板入射エネルギー束が増加し、それに伴い金属添加ZnO膜の膜質が向上することが確認された。得られた成果は、国内および海外で発表し、論文に投稿した。
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Research Products
(20 results)