2009 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧μプラズマによるマイクロ流路内壁の高機能化に向けた先駆的研究
Project/Area Number |
20540488
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
吉木 宏之 Tsuruoka National College of Technology, 総合科学科, 教授 (00300525)
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Keywords | μプラズマ / 大気圧プラズマ / μ磁化プラズマ / マイクロ流路 / ポリプロピレンチューブ / CVD / SiO2薄膜コーティング / ポリイミドフィルムの剥離 |
Research Abstract |
マイクロ化学チップやマイクロチューブ等のマイクロ流路内壁の薄膜コーティングを実現するμプラズマ生成・制御技術の確立、マイクロ流路内のプラズマ気相-表面反応の解明が本研究の目的である。以下に平成21年度の研究成果を記す。 (1)平行平板電極を用いたRF(14MHz)励起容量結合型μプラズマを生成し、ケイ酸エチル(TEOS)を原料として内径1.0mmのポリプロピレン(PP)チューブ内壁へのSiO_2薄膜のコーティングを試みた。プラズマガスをHe/TEOS/O_2およびAr/TEOS/O_2として作製した膜に関して、XPSによる化学結合状態および元素定量分析、FT-IRによる化学組成や膜質の評価、SEMによる表面観察や膜厚測定を行なった結果、-OH基の混入が少ないSiO_2膜が堆積していること、He/TEOS/O_2プラズマでは膜表面は滑らかであるのに対し、Ar/TEOS/O_2プラズマでは電極直下の膜表面が顆粒状の堆積物で覆われていることを明らかにした。小口径チューブ内のプラズマ化学気相堆積膜のFT-IRの報告例は始めてである。平行平板電極直下の方が電極間に比べて膜が厚いこと、電極長が10mmの場合ではPPチューブ軸方向での膜厚分布は比較的均一であることが明らかになった。 (2)局所領域への薄膜堆積やエッチングを可能にするプラズマプロセス技術を構築する為に、φ100μmの金属(SUS)パイプをガスノズル兼RF電極として生成した大気圧He、Arμプラズマの放電特性を調べた。その結果、RF電力の増加、あるいは放電ギャップの減少に伴い、コロナ→グロー→スポットアークと放電モードの移行を確認した。この大気圧μプラズマをポリイミドフィルム(膜厚:0.025mm)の局所エッチングに応用した結果、RF電力1.5W時にエッチング速度3.0μm/sを達成した。
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Research Products
(10 results)