2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20549001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 雅樹 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 准教授 (10504574)
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Keywords | 暗黒物質 / 希ガス検出器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地下実験室での暗黒物質直接探索において、散乱断面積の核種依存性を用いることにより従来行われている方法よりも、さらに信頼性の高い証拠を出すための検出器を発展させることにある。特に液体希ガス検出器は大質量化しやすく、暗黒物質のような稀な事象を探す実験では有利である。現実的な反跳核エネルギー閾値25keVを仮定すると、ArとXeでは、そのイベント頻度が約2倍も違い、季節変動による数%の変動に加え、より信頼性の高い証拠になり、中身の液体を変えるだけなのでコスト的にも非常に有利である。この技術を応用し、3年後にXMASS800kgの検出器に適用すれば既存の検出器を使用して、暗黒物質精密測定に発展させる。 H20-H21年度においては、極低温(液体アルゴン温度、87K)でも動作する光電子増倍管を調達し検出器を製作、試験を行った。検出器はこの光電子増倍管と波長変換材が塗られたアクリル容器になる。アクリル容器はHFE7100という冷媒に浸る。170Kに冷やされたアクリル容器には液体キセノンが満たされ、今回はガンマ線源を用いて液体キセノンシンチレーション光の観測に成功した。また、この測定とは独立に液体キセノンの原子核反跳とガンマ線による波形弁別の測定も行った。暗黒物質からの信号は原子核反跳を通して観測されると考えられているので、この波形弁別の情報を用いることは有利になる。今後、これらの結果と液体アルゴンでの測定を踏まえ、核種依存性を用いた暗黒物質探索の可能性を探る。
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Remarks |
基盤C
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